ヘアカラーを楽しんだ直後は、キューティクルが一時的に開いた状態になっています。カラー剤によって染み込み、理想の髪色が実現された後も、定着には時間が必要です。このため、ヘアカラー直後にシャンプーを行うと、まだ定着していない色素が流れ出し、せっかくのカラーが色落ちしてしまう恐れがあります。
なぜヘアカラー当日のシャンプーは避けるべきか
ヘアカラーの工程では、カラー剤が髪内部にしっかり浸透するために、髪のキューティクルを開かせる処理が行われます。
・この状態でシャンプーをすると、色素が洗い流されやすくなる
・髪への摩擦や刺激によって、キューティクルがさらに傷む
・頭皮の皮脂まで落としてしまうと、ヘアカラー後の保護力が低下する
こうした理由から、美容師さんからは「当日中はシャンプーを控えてください」といったアドバイスがされるのです。
定着を待つべき理由～48時間ルールの真意～
一般的には、ヘアカラー後は約48時間（2日間）シャンプーを控えることが理想とされています。
・2日間という時間は、髪内部の色素がしっかり定着するために必要な時間
・キューティクルが元の弱酸性状態に戻り、髪へのダメージを最小限にする
・この期間中は、ぬるま湯を使ったすすぎ洗いでも、約80％の汚れを落とす効果が期待できる
この48時間という待機期間を守ることで、ヘアカラーの色持ちが格段に良くなり、仕上がりの美しさを長く楽しむことが可能となります。
ヘアカラー後のシャンプー方法と注意点
どうしてもシャンプーが必要な状況（暑い季節や汗をかいたときなど）の場合、できるだけ髪へのダメージを軽減しながら、清潔さを保つための方法があります。以下の方法を参考に、正しいケア方法をマスターしましょう。
1. ドライシャンプーの活用
ヘアカラー後にシャンプーをする必要がある場合、まずは水を使わずに汚れやベタつきを取り除く方法としてドライシャンプーがおすすめです。
・洗い流さないため、カラーの色素が流れ出にくい
・ブラッシングで軽く整えるだけで、においやベタつきを抑える効果が期待できる
・シートタイプやパウダータイプ、ミストタイプなど、さまざまな形状があるので、自分の髪質や好みに合わせて選ぶとよい
2. シャンプーする場合の正しい温度管理
シャンプーをやむを得ず行う場合は、シャワーの温度管理にも注意が必要です。
・最適な温度：36℃～38℃のぬるま湯
・熱すぎるお湯は、キューティクルをさらに開かせダメージを与える
・冷たすぎると十分な汚れ落としができず、皮脂が残る可能性がある
この温度帯のぬるま湯で優しく洗い上げることで、余計な摩擦や熱によるダメージを避けることができ、色持ちをサポートします。
3. 摩擦を避けた洗い方
シャンプー時の髪への摩擦は、キューティクルの損傷につながります。以下のポイントに注意しながら洗いましょう。
・シャンプー液を直接髪に付けず、一度手のひらでしっかり泡立ててから使用する
・力を入れてゴシゴシ洗いは避け、やさしくマッサージするように洗い流す
・洗った後は、タオルで強く擦るのではなく、押さえるように水分を取る
これらの洗い方を心がけることで、摩擦ダメージを最小限に抑え、色素の流出を防ぐことができます。
4. トリートメントによるケアの重要性
シャンプー後のトリートメントは、ヘアカラーした髪のキューティクルを引き締め、弱酸性の状態に戻すために非常に重要です。
・キューティクルがしっかり閉じれば、色素の流出を抑え色持ちが向上する
・保湿成分や補修成分が髪内部に浸透し、ダメージを軽減する
・シャンプー直後の状態から、時間をかけて必要な栄養を補給する
トリートメントは、ヘアカラーと同時にダメージ補修の役割も果たすため、シャンプーとセットで使用することでより健康的なヘアカラーを維持できます。
5. タオルドライのポイント
シャンプー後のタオルドライも、髪へのケアとして非常に重要です。
・ゴシゴシとタオルで拭くのではなく、やさしく押さえるように水分を取る
・特に毛先はデリケートなため、タオルで軽く挟む感じで水分を移す
・急激な乾燥を避けるため、タオルドライ後は自然乾燥か、ドライヤーの冷風で仕上げる
正しいタオルドライを行うことで、摩擦ダメージを避け、キューティクルへの負担を軽減できます。
6. ドライヤーの使用法と注意
シャンプー後のドライヤーは、髪を早く乾かすために重要なツールですが、熱によるダメージを与えないよう注意が必要です。
・まずは髪の80％程度が乾いた段階で、ドライヤーの温度を冷風に切り替える
・高温の熱風が直撃しないよう、距離を取りながら使用する
・髪の先端は特に乾燥しやすいため、冷風でしっかりとケアする
これにより、キューティクルがしっかり閉じ、色素の定着が促されるとともに、髪の健康が守られます。
ヘアカラー後のシャンプーに適した成分と界面活性剤
ヘアカラー後のデリケートな髪を守るためには、シャンプーの成分選びも非常に重要です。毎日のシャンプーには、洗浄力と保湿力、そして補修成分がバランスよく配合されたアイテムを選ぶことが求められます。
シャンプーの基本成分～水と界面活性剤～
シャンプーの約70～90％は水と界面活性剤で構成されています。残りの10～30％に保湿成分やシリコン、防腐剤などが配合され、髪質に合わせた処方が決まります。ここでは、代表的な界面活性剤の種類とその特徴を見ていきます。
| 界面活性剤の種類 | 特徴 | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| ベタイン系 |
・低刺激で安全性が高い ・ベビーシャンプーにも使われる ・洗浄力はやや控えめ |
ラウラミドプロピルベタイン コカミドプロピルベタイン |
| タンパク系 |
・低刺激でダメージケアに適している ・髪への補修効果が期待できる ・洗浄力はやや低め |
ココイル加水分解ケラチンK ラウロイル加水分解シルクNa |
| 石けん系 |
・洗浄力が高く泡立ちがよい ・アルカリ性でキューティクルを開きやすい ・刺激が強く、カラー後には不向き |
ラウレス酢酸～ ヤシ油油脂脂肪酸～ |
| 高級アルコール系 |
・泡立ち・洗浄力が高い ・単独では刺激が強いため、他成分との併用が多い |
ラウリル硫酸～ ラウレス硫酸～ |
| アミノ酸系 |
・洗浄力と刺激のバランスが良好 ・キューティクル補修効果も期待でき、カラー後に最適 |
ココイルグルタミン酸TEA ココイルアラニンTEA |
ヘアカラー後におすすめの界面活性剤：アミノ酸系
上記の表からもわかるように、ヘアカラー後の髪はすでにダメージを受けやすく、キューティクルが開いている状態になっています。
・刺激が少なく、補修効果があるアミノ酸系界面活性剤配合のシャンプーが最もおすすめ
・さらに、保湿成分がしっかりと配合されたアイテムを選ぶことで、次回のシャンプー時にもダメージを軽減できる
これにより、カラー後の髪の滑らかさやツヤを長く維持することが可能になります。
カラー後の色持ちを良くするためのポイントまとめ
ここまで、ヘアカラー後のシャンプータイミングや注意点、正しい洗い方、そしておすすめのシャンプー成分について詳しく解説してきました。改めて、色持ちを良くするポイントを整理してみましょう。
・シャンプータイミング
- 基本はヘアカラー後48時間はシャンプーを控える
- どうしてもシャンプーが必要な場合は、ぬるま湯やドライシャンプーを活用
・シャンプー中の注意点
- シャンプー液は手のひらで十分泡立て、やさしくマッサージするように洗う
- 頭皮や髪への摩擦を極力避ける
- タオルドライは押さえるようにして行う
・トリートメントとドライヤーの活用
- シャンプー後は必ずトリートメントでキューティクルを閉じる
- ドライヤーは高温になりすぎないよう注意し、80％乾いたら冷風に切り替える
・成分選び
- アミノ酸系界面活性剤のシャンプーを中心に選ぶ
- 保湿成分や補修成分が配合されているものを選択
これらのポイントを実践することで、ヘアカラーの美しさを長期間キープし、ダメージを最小限に抑えたヘアケアを実現できます。
おすすめのアミノ酸系シャンプーTOP3
ここでは、ヘアカラー後の髪に最適なアミノ酸系シャンプーとして、厳選した3商品をご紹介します。各アイテムは、保湿・補修効果が高く、カラー後のデリケートな髪をしっかりと守ってくれます。
1. Aブランド ナチュラルケアシャンプー
・100%天然由来成分を使用し、敏感な頭皮にも優しい
・アミノ酸系洗浄成分をベースに、天然保湿成分とハーブエキスを配合
・泡立ちが豊かで、しっとりまとまりのある仕上がり
※定期コースで購入するとお得な価格設定
2. Bブランド エイジングケアスカルプシャンプー
・頭皮環境を整える保湿成分とボリュームケア成分をバランスよく配合
・天然由来の洗浄成分で頭皮や髪にダメージを与えず、健やかな髪へと導く
・カラーダメージを抑え色持ちをサポートする処方で、年齢を重ねた髪にも最適
3. Cブランド パーソナライズドヘアシャンプー
・髪質診断に基づいて一人ひとりの髪の状態に合わせた成分をブレンド
・アミノ酸系界面活性剤中心の処方で、カラー後のケアに最適
・香りも選べるため、リラックスしながら毎日のヘアケアを楽しめる
それぞれのシャンプーは、実際に使用しているユーザーからの評価も非常に高く、ヘアカラー後のケアに重点を置いた処方となっています。サロン品質のケアを自宅で実践するためにも、ぜひ自分の髪質に合ったシャンプーを見つけてみてください。
ヘアカラー後のシャンプーに関するよくある質問
ここでは、ヘアカラー後のシャンプーに関して寄せられる疑問や悩みを解消するために、よくある質問と回答をいくつかご紹介します。
Q1. どれくらいの頻度でシャンプーすれば良いの？
A1. ヘアカラー直後は必ず48時間シャンプーを控え、その後は2～3日に1回のシャンプーを目安にすると、色落ちを抑えやすくなります。ベタつきが気になる場合は、ドライシャンプーなどの補助アイテムを利用するのがおすすめです。
Q2. カラーシャンプーはどのようなものを選べば良いの？
A2. カラーシャンプーは、刺激の少ないアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分が使用されているものを選ぶのがベストです。また、ヘアカラーの色を補正するピンク系、パープル系、アッシュ系の色素が配合されているタイプもあり、好きなカラーや髪の状態に合わせて選択すると良いでしょう。
Q3. セルフでヘアカラーした場合も、同じケア方法で大丈夫？
A3. セルフカラーの場合も、プロの施術と同様に、まずはお湯で十分に洗い流し、その後シャンプーを2回行うことで、薬剤の残留を確実に落とし、弱酸性に戻すことが大切です。セルフカラーであっても、理想のカラーを長持ちさせるためには同じケア方法が適用されます。
Q4. 連日シャンプーしても大丈夫なの？
A4. 連日シャンプーを行うと、どうしても色落ちが進みやすくなります。出来るだけカラー後はシャンプー回数を抑え、必要な日は低刺激のアミノ酸系シャンプーを使用し、保湿と補修をしっかりと行うように心がけましょう。
Q5. シャンプー後にどのようなトリートメントを使用すれば良い？
A5. カラー後は、髪の補修効果が高く、キューティクルを引き締める働きのあるトリートメントを推奨します。保湿成分や美容成分が豊富に含まれているものを使用することで、カラーの色持ちをサポートしながら、髪に艶とまとまりを与えることができます。
まとめ～美しいヘアカラーを長持ちさせるために～
ヘアカラー後のケアは、ただ単にシャンプーを行えばよいというものではなく、正しいタイミングと方法、そして適切なアイテムを組み合わせることが重要です。
・48時間のシャンプー控えは、色素の定着を促し、色落ちを防止するための大切な期間です。
・どうしてもシャンプーが必要な場合は、ドライシャンプーやぬるま湯によるすすぎ洗い、そして低刺激のアミノ酸系シャンプーを利用してダメージを抑えましょう。
・シャンプーだけでなく、トリートメントや適切なドライヤーの使用、そしてタオルドライなど、全体のケア方法が髪の健康を守る鍵となります。
・さらに、界面活性剤や保湿成分の違いを理解した上で、自分に合ったアイテムを選ぶことが、サロン帰りの美しさを長く維持するために不可欠です。
今回ご紹介したポイントやおすすめ商品、よくある質問の回答を参考に、ぜひ自宅でのヘアカラーケアをより充実させてください。自分の髪質やライフスタイルに合わせた正しいケアを実践することで、毎日のヘアケアが楽しく、そして美しく輝く髪色を長く保つ秘訣になるでしょう。
